お盆について

精霊棚(盆棚)

精霊棚とは

お盆のときに特別につくられる棚を精霊棚(しょうりょうだな)とか、盆棚といいます。
精霊棚とは、先祖の精霊(しょうりょう)を迎えるために、位牌を中心に安置し、さまざまなお供えをする棚です。
精霊棚のつくり方は地域によってさまざまで、お盆の風習が盛んな地域では、伝統的な
精霊棚を飾り、精霊をお迎えします。

都市部にお住まいの方は、住宅事情もあり精霊棚をつくらない家も多くあります。その場合は、小さい机の上に真菰(まこも)のゴザを敷いて、お供えの準備をします。
スペースがない場合は、仏壇が精霊棚を兼ねますので、仏壇にお供えをしても構いません。仏壇のスライド式の棚板や、経机を利用するとお供えがしやすいです。
お盆のしきたりは、地域や宗派によって異なりますので、詳しくは菩提寺の住職にお聞きになるのがよいでしょう。

精霊とは

精霊(しょうりょう)とは、先祖や故人など、亡き人の霊のことをいいます。
新盆の方の精霊を特別に、新仏(あらぼとけ)ということがあります。

伝統的な精霊棚

精霊棚のつくり方は、それぞれの地域や家庭によってさまざまな形があります。
伝統的な精霊棚としては、一枚の棚の四隅を支柱で支える形式のものと、ひな壇形式のものがあります。

支柱形式の場合は、真菰(まこも)のゴザを敷いた棚の四隅に青竹を立て、その上部に縄を張って結界とします。
縄には、ほおづき、昆布、みそはぎ、あわ、そうめんなどを吊るします。
位牌を中央奥に安置し、その手前に香炉、花立、燭台を置き、季節の野菜や果物、精進料理を供えた霊供膳(仏膳)などを供えます。
蓮の葉にナスやキュウリをさいの目に刻んで洗い米と一緒に入れた「水の子」、蓮の葉に水をたらした「閼伽水(あかみず)」などを供える場合もあります。
ひな壇形式の場合は、金襴や真菰のゴザを敷き、最上段に位牌を安置し、お供え物を並べます。

先祖の霊の乗り物として、キュウリの馬とナスの牛を供えるのも昔からの習わしです。
霊が馬に乗って一刻も早くこの世に帰り、牛に乗ってゆっくりとあの世に戻っていくようにという願いが込められています。
親類や知人からいただいた盆提灯は、できるだけ精霊棚の左右に飾ります。
精霊棚のお供えは、13日の迎え火までに用意します。

精霊棚を置く場所

精霊棚を置く場所は、仏壇の脇、床の間、奥座敷、また屋外の場合などさまざまです。
その地域の慣習に合わせて、決まった場所につくるのがよいでしょう。
都市部では、仏壇の前に経机や小さい机などで棚をつくり、精霊棚とする場合も多いです。

浄土真宗の精霊棚

浄土真宗では一般に、精霊棚のようなにぎやかお盆の飾りはしません。
仏壇のお供えをいつもより多めにし、仏壇の前に盆提灯を飾って、お盆を迎えます。