お盆のいろは

施餓鬼・塔婆供養

施餓鬼

お盆の時期に多くのお寺では、施餓鬼会(せがきえ)と呼ばれる法要を営みます。
施餓鬼会は、餓鬼道に落ちて苦しんでいる霊を救うために、食べ物を施して供養する法要ですが、無縁仏(むえんぼとけ)を供養する法要でもあります。

あらゆる餓鬼や無縁仏に施しをすることで、その功徳が施主やその先祖にまで及び、それがそのまま先祖追善供養になっていく、というのが施餓鬼の意味です。
施しの心の大切さを教えてくれるとともに、先祖を供養することの大切さを学ぶことのできる行事です。
元々は時季を定めず行う行事ですが、お盆の時期に行うお寺が多く、お盆の行事と表裏一体の関係となりました。

塔婆供養

お盆の時、お墓に卒塔婆(そとうば)を立てることがあります。
これを塔婆供養といいます。
卒塔婆は梵語(ぼんご)で塔を意味します。
弟子がお釈迦さまの遺骨を分骨して、塔を建てて供養したと伝えられ、それがのちに五輪塔になり、5つの刻みを入れた卒塔婆になったとされています。
五輪とは、仏教の宇宙観の五大要素「空風火水地」を示しており、塔婆供養を行うことは、故人が自然界の宇宙と同化し、仏に成ることを意味しています。

塔婆には、故人の戒名や供養の年月日、施主の名前などを書きますので、あらかじめお寺の住職に依頼しておくことが必要です。
お礼は「御塔婆料」といって、お寺によって金額が決まっている場合が多いので、直接たずねるとよいでしょう。
浄土真宗では塔婆はもちいません。

地蔵盆

地蔵盆はお地蔵様の縁日である8月24日を中心に行われる地蔵菩薩のお祭りのことです。
子供が主役になることが多く、子供のためのお祭りという性格を強く持ちます。
現在では24日に限らず直近の土曜日、日曜日に行うことも多いです。

お地蔵様は子供を救い、子供の成長を助ける菩薩として、古くは平安時代から人々の信仰を集めてきました。
お地蔵様は町の辻に立っていたり、小さな地蔵堂にお祀りされたりしますが、地蔵盆ではお地蔵様の前掛けを新しくしたり、地域によってはお化粧したりし、地蔵盆用の提灯を飾ります。
地蔵盆では、子供はお菓子をもらったり、福引きをしたりして、一日楽しく過ごします。